メール配信ツールは、登録人数だけでなく、月間・日次通数、必要な自動化、担当者の人数で比較すると候補を絞りやすい。
同じ一斉配信でも、担当者が1人から2人になるだけで追加費用や対象プランが変わる。まず条件に合う候補を複数残し、その後に費用と操作を確かめよう。
このページではWordPress内で使うMailPoet、外部配信サービス、Brevoを横断して比較する。会社の大きさで製品を振り分けず、無料枠と有料プランを分けて見ていく。
国産4サービスの同条件見積もりと担当者・契約期間の比較は、国産メール配信サービス比較にまとめた。ここでは候補を残す条件を整理する。
まず確認:あなたの「配信の目的」はどっち?
メール配信ツールを選ぶ前に、ひとつだけ確認しておきたいことがある。
「メルマガ・ニュースレター・販促メールを送りたい」のか、「社員用の業務メール基盤を整えたい」のか。
この2つは似て非なるもので、選ぶべきツールのカテゴリがまるで違う。
メルマガ系なら → このまま読み進めてOK。 業務メール基盤なら → KAGOYA MAILレビュー と KAGOYA MAIL vs Google Workspace vs Microsoft 365 へ。
候補の絞り方:4つの条件を重ねる
一斉配信、ステップメール、分析は複数の製品にある。同じ機能名でも開始条件や対象プランが違うため、次の順に確認する。
| 確認する条件 | 残す候補と確認点 |
|---|---|
| 1. 管理する場所 | WordPressの記事・読者を同じ画面で扱いたいならMailPoet。WordPress外で担当者を管理したいなら、ブラストメール、WiLL Mail、楽楽メールマーケティング(旧 配配メール)、Cuenote FC、Brevoも比較する。 |
| 2. 登録人数と送信枠 | 500人に月4回なら2,000通。MailPoet Starterの人数・月間枠には収まる。Brevo Freeは300通/日なので、500人へ同日配信する条件では足りない。5,000人なら月4回で20,000通、月8回で40,000通となる。 |
| 3. 自動化の開始条件 | 登録日・購入日などの日付起点ならブラストメールStandard、WiLL Mailプレミアム、楽楽メールマーケティングStandard、Cuenote FC Premiumを候補に残す。MailPoetとBrevoも、必要なトリガーと有料・無料の範囲を照合する。クリック後の条件分岐や外部連携は、日付起点のステップと別に確認する。 |
| 4. 操作する人数・権限 | 担当者2人なら別々のログインで見積もる。ブラストメールStandardはユーザー追加オプション、WiLL Mailは両プランのオペレータ枠を確認。BrevoはFree/Starterの1席を前提にせず、Standardの追加席を含める。作成と承認の分離が必要なら、その可否も条件に加える。 |
たとえば「5,000宛先・担当者2人・日付起点のステップ」が必要でも、ブラストメールを外す理由にはならない。対象プランと追加料金をそろえたうえで、WiLL Mailなどと並べて比較できる。
比較表:一覧で見る
画面に表が収まらない場合は、表を横にスクロールして各条件を確認できる。
| ツール | 対象プラン | 人数・通数・費用 | 必要機能の確認 | 担当者・運用条件 | 独自ドメインDKIM |
|---|---|---|---|---|---|
| MailPoet | Starter / Business | Starter:500人・月5,000通。Businessは選択した購読者枠で料金を確認 | WordPress内で作成・管理。Businessは詳細分析・対象を絞った自動化を比較 | 席数はプラン表で無制限。実際の操作権限はWordPress側で確認 | Sending Serviceで対応。DNS認証が必要。外部SMTP等は送信先の条件による。 MailPoet公式の設定条件 |
| ブラストメール | Light / Standard / Pro | Light:5,000件まで月4,000円。Standard:10,000件まで月8,000円(税別)。配信通数は無制限 | 独自ドメインDKIMとステップはStandard以上 | Standard標準は1名。5名までのユーザー管理は月3,000円追加(税別) | Standard以上で対応。作成者署名用のDNS設定が必要。 ブラストメール公式の設定条件 |
| WiLL Mail | シンプル / プレミアム | シンプル月4,000円〜(税別)。実通数で見積もり。初期費用なし・最低1か月 | 一斉配信・分析は両プラン。ターゲット・ステップ・APIはプレミアム | 両プランとも最大100オペレータ。権限を分けられる | シンプル・プレミアムで対応。DNS設定と作成者署名の選択が必要。費用条件は契約前に確認。 WiLL Mail公式の設定条件 |
| 楽楽メールマーケティング(旧 配配メール) | Standard / Premium / Bridge | 月内最大登録件数とオプションで見積もり。新規料金案内の最低期間は12か月 | Standardからステップ対応。来訪通知・行動分岐はBridgeなど対象プランを照合 | 複数ユーザーに対応。人数上限・承認・追加費用を見積もりに明記 | 作成者署名に対応。DNS設定とFrom側の切替が必要。対象プラン・費用は契約前に確認。 配配メール公式の設定条件 |
| Cuenote FC | Premium / 専用ASP / オンプレミス | Premiumは2,000宛先・月5,000円〜、初期30,000円〜。5,000宛先の額は別途確認 | 通数無制限。ステップ・シナリオが比較対象。専用環境は要件がある場合に検討 | 複数ログインIDに対応。追加ワークエリア・API等のオプションを確認 | 作成者署名に対応。管理画面で鍵を発行し、DNSへ設定する。 Cuenote FC公式の設定条件 |
| Brevo | Free / Starter / Standard等 | Freeは300通/日。5,000連絡先・月20,000通なら有料20,000通枠以上を比較 | Free/Starterの自動化参加上限は2,000連絡先。Standardは上限なし | Free/Starterは1マーケティング席。Standardは有料追加で最大3席 | 独自ドメインのDNS認証に対応。無料・有料別の適用条件は契約前に確認。 Brevo公式の設定条件 |
| KAGOYA MAIL | 業務メール基盤(比較対象が別) | ブロンズ3,300円/月(税込・月払い) | 社員のメールアドレス・受信箱を用意する用途 | 配信サービス選定後も、社員メールの要件は別に比較する | KAGOYA MAILのブロンズ・シルバーは送信ドメイン認証に対応。旧KIRメールプランの対応表と混同せず、契約中の製品・送信経路・DNS設定を確認。KAGOYA MAILの現行対象プラン |
独自ドメインDKIMの確認日:2026年9月16日。料金・対象プラン・担当者枠は2026年10月14日に再確認。サービス側の第三者署名と、自分の差出人ドメインによる署名は別だ。契約プラン・送信経路・DNS設定をセットで確認しよう。表の月額目安は、独自ドメインDKIMが使える契約の最低価格とは限らない。費用条件が公開資料で確定できない項目は、契約前の確認事項として記載した。
DKIMの認証成功に加えて、DMARCではSPFまたはDKIMで認証されたドメインと、表示されるFromドメインの整合が必要になる。設定後は実際に送ったメールの認証結果を確認しよう。認証成功だけで受信トレイへの到達が保証されるわけではない。詳しくはGoogleのメール送信者のガイドラインを参照。
無料枠は「登録できる人数」と「送れる通数」が別の上限になっている。500人に月4回送るなら基本の一斉配信だけで2,000通になる。自動メールなどを含め、実際の月間送信数で判断しよう。上限・対象機能は契約前にMailPoet料金・機能比較で確認できる。
同じ条件で比べる:500人と5,000人の例
| 想定 | 候補の残し方 | 費用・上限でわかること |
|---|---|---|
| 500人・月4回・1人で運用・同日配信 | WordPress内ならMailPoet Starter、外部ならBrevoの有料枠や国産サービス | 一斉配信2,000通はMailPoet Starterの無料枠内。Brevo Freeは日次300通が先に制約となる。テスト・自動送信分の通数も別途加える。 |
| 5,000人・月4回(20,000通)・2人・HTML作成・独自DKIM | MailPoet Business、ブラストメールStandard+ユーザー管理、WiLL Mailシンプル、楽楽メールマーケティングStandard等、Cuenote FC Premium、Brevo Standard+追加席 | ブラストメールは1年契約で税別137,000円(初期5,000円+月11,000円×12、開始前の日割り別)。MailPoetは5,000購読者枠、Brevoは20,000通枠+追加1席、国産他社は同じ条件の見積もりで比較する。 |
| 上の5,000人に日付起点のステップも追加 | ブラストメールStandardは引き続き候補。WiLL Mailはプレミアムを比較する。他社もトリガーと対象プランを確認 | 月20,000通に自動送信分が上乗せされる。人数課金の枠と、月間送信枠の両方を再計算する。 |
この計算だけで最安の製品は決まらない。未公開額を最安プランの開始価格で代用せず、国産4サービスの12か月総額と見積もり条件で不足分を埋めよう。到達率や作業時間の実測比較ではない。
各ツールの”向き不向き”
MailPoet:WordPressで読者向けメールを始めたい人に
MailPoetは、WordPressの管理画面でメールの作成や購読者管理を進められるプラグインだ。無料のStarterプランは購読者500人、月5,000通まで。ブログの更新通知や小規模なニュースレターを試したいときに候補になる。MailPoetのプラン比較
送信にMailPoet Sending Serviceを使う場合は、外部のMailPoetアカウントとプラン登録が必要になる。利用開始時にはサイトやリストの集め方について審査を受けるため、プラグインを入れただけで即座に本配信できるとは限らない。MailPoetの承認手順
規模が大きくなったら、必要なセグメント配信、自動化、分析機能を有料プランで満たせるかを確認する。「WordPress内で動くから到達率が低い」「成長したら必ず他社へ移る」とは決めつけず、必要機能・費用・移行の手間を比べよう。
→ MailPoetの選び方|無料枠・送信方法・WordPress運用の確認点 → MailPoet初期設定ガイド|送信方法・ドメイン認証・登録と解除を確認 → MailPoetが届かないときの確認順|送信経路・認証・処理状況を分ける
ブラストメール:Standardのステップと担当者追加も比較する
ブラストメールは登録アドレス数とプランで費用を確認するサービスです。Lightは5,000件まで月4,000円、Standardは10,000件まで月8,000円で、いずれも税別。初期費用と契約期間も合わせて比較します。
ステップメールはStandard以上で利用できます。Standardの標準ログインは1名で、5名まで増やすユーザー管理は月3,000円(税別)のオプションです。担当者2名なら月8,000円だけでは足りません。公式のユーザー管理条件
→ ブラストメールの選び方|料金・送信枠・導入前の確認点 → ブラストメールとWiLL Mailの比較|料金・契約期間・必要機能をそろえる
WiLL Mail:一斉配信とステップで対象プランを分ける
WiLL MailはHTML作成、開封・クリック分析、ヒートマップ等を提供します。ターゲット配信とステップメールはプレミアム対象のため、最安の料金と混ぜず、必要機能をそろえて見積もります。
配信頻度が少ない月の料金も、契約条件と見積もりで確認します。通数が減れば必ず費用が下がる、という説明だけでは判断しません。
→ WiLL Mailの選び方|料金・対象プラン・運用の確認点 → WiLL Mail初回配信前の確認 → MailPoetとWiLL Mailの比較|管理場所・送信条件・必要機能で選ぶ
楽楽メールマーケティング(旧 配配メール):StandardとBridgeの範囲を確認
配配メールは「楽楽メールマーケティング」へ名称変更しています。Standardでもステップ配信を比較でき、来訪通知やポップアップなどはBridgeの対象機能です。必要な支援内容も見積もりに含めます。ラクスの名称変更案内、公式プラン比較
新規契約の総額は見積もりで確認します。月内の最大登録件数、必要オプション、連携先をそろえて比較してください。見積方式というだけで品質や大規模配信への適否を判断しません。
→ 配配メールの料金と選び方|公式プランで確認する費用・機能
Cuenote FC:Premiumから専用環境まで、宛先数と要件で比較する
Cuenote FCはPremium、専用ASP、オンプレミスを用意しています。Premiumは2,000宛先・月5,000円から、初期30,000円からの案内があります。公式料金表の開始額であり、税やオプションを含む確定見積もりは別途確認します。
小規模という理由だけで除外せず、ASPの最低利用期間6ヶ月と、必要な機能・運用体制を含む総額で判断します。遅延ゼロや受信箱への到達を保証するものではありません。
→ Cuenote FCの選び方|プラン・料金・運用要件の確認点
Brevo(旧Sendinblue):日次枠・保存件数・自動化参加人数を分ける
Brevoはメール配信に加え、自動化や顧客管理等を検討する場合の候補です。無料は1日300通・保存10万件、自動化は参加連絡先2,000件まで。有料の最低送信枠へ変えると保存上限も変わるため、必要人数をそろえて確認します。
移行先として検討する場合は、日本語UIの要否、同じ日に届けたい通数、必要な自動化、連絡先の保存上限を先に照合します。成長したから必ず移すのではなく、現在の運用で満たせない条件があるかで判断します。
→ MailPoet→Brevo移行手順|CSVインポートとリスト設計 → Brevo単体レビュー
Mailchimpも候補です。Freeは250連絡先・月500通・日250通、Essentialsには最大4ステップの自動化があります。必要な連携・人数・送信頻度と、サポート言語を確認して比べます。Mailchimpの選び方|無料枠・自動化・連絡先課金をBrevoと比較も参照してください。
KAGOYA MAIL:社員用のメール環境を整える場合
ここまで紹介したツールとは用途が根本的に違う。KAGOYA MAILは「社員が使う業務メールサーバー」であり、メルマガ配信ツールではない。
独自ドメインの業務メール環境を、メールに必要な機能を中心に整える場合の候補です。WorkspaceやMicrosoft 365とは含まれる共同作業機能が違うため、人数だけで必ず安いと判断せず、必要な機能と容量の総額で比べます。
→ KAGOYA MAILレビュー|業務メール基盤としての向き不向き → KAGOYA MAIL vs Google Workspace vs Microsoft 365
選ぶときに見落としがちな3つの基準
到達率は「ツールの力」だけで決まらない
メールの到達は、送信サービスだけでなく、ドメイン認証、読者の同意、宛先リストの状態、メールの内容や送信頻度にも左右される。利用するサービスが案内する送信者認証を整え、テスト配信と配信結果を確認しよう。認証を設定すれば必ず受信トレイに届く、未設定なら必ず迷惑メールになる、という単純な関係ではない。
→ メール到達率の基本|SPF・DKIM・DMARCと送信経路の確認
「乗り換えコスト」を最初から計算しておく
メール配信ツールは一度導入すると、配信リスト・テンプレート・フォーム連携などの移行に手間がかかる。「安いから」で選んで、後から必要機能が不足すれば、移行の手間が追加される。
最初から「自分の運用がどこまで伸びるか」を見越して選ぶと、二度手間が減る。
→ MailPoetから乗り換える手順|移行で詰まらないチェックリスト
「週1で回せるか」が最終テスト
どんなに高機能なツールでも、運用が止まれば意味がない。読者へ案内した頻度で、自分のリソース内で配信を続けられるかどうかが、ツール選びの最終チェックポイント。
まとめ:迷ったらここに戻る
メール配信ツールは、目的、配信人数、送信頻度、必要な自動化から選ぶと絞りやすい。WordPressの管理画面でニュースレターを運用したいならMailPoetが候補になる。ただし、無料枠は購読者500人・月5,000通までで、Sending Serviceを使う場合は登録・審査も必要だ。
一斉配信、分析を含む運用、自動化、大規模配信では必要な機能が変わる。候補を1〜2個に絞ったら、無料枠や最安料金だけで決めず、実際の人数・頻度で使ったときの費用と操作を確かめよう。社員用の業務メールは別用途なので、業務メール基盤の比較記事を参照してほしい。
各ツールの詳しいレビュー・導入手順・移行ガイドは、上のリンクから個別記事へ。
メール配信ツールを選んだら、次はサーバー環境。Opsoryではレンタルサーバーも同じ「用途別に絞って選ばせる」方式でまとめている。 → レンタルサーバー3社比較|料金・契約期間・バックアップで選ぶ
公式資料(2026年9月28日確認):ブラストメール料金、ブラストメール自動配信、WiLL Mail料金、WiLL Mail機能、Cuenote FC料金、Cuenote FC契約期間、Brevo料金と保存上限、Mailchimp料金、KAGOYA MAIL料金・機能。
今回の比較条件の確認(2026年10月14日):ブラストメール料金・担当者追加、WiLL Mail料金・担当者枠、楽楽メールマーケティングの料金・契約期間案内、Cuenote FC料金・機能、MailPoetプラン、Brevoの通数・保存・席数。WiLL Mailのプレミアム開始額は同じ公式ページ内で12,000円〜と10,000円〜が併記されていたため、この比較では確定額として採用していない。

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