WordPressでブログを運用していると、「読者が増えたらニュースレターもやりたい」「更新通知を自動で送りたい」と思うタイミングが来る。
そのとき候補に上がりやすいのが MailPoet。
ただ、メール配信は“できる/できない”よりも、運用で詰まらないか(配信・管理・移行・コスト)が重要。この記事では、MailPoetを「実務で使えるか?」という視点で整理する。
先に結論(向いてる人 / 向いてない人)
MailPoetが向いてる人
- WordPress内で「登録フォーム→配信→管理」まで完結させたい
- 最初は小さく始めて、運用が固まったら伸ばしたい
- “記事更新通知”や“簡単なステップ配信”をまず回したい
MailPoetを避けた方がいい人
- 早い段階から高度なセグメント/シナリオ(複雑な条件分岐)を前提にしている
- 大規模配信を最初から想定していて、配信基盤(到達率)を強く最適化したい
- 将来的に「メール以外(CRM/広告連携/営業)」まで一体運用したい
MailPoetでできること(ざっくり全体像)
MailPoetは、WordPressに組み込む形でメール配信を扱う。主にできることは以下。
- 購読フォームの作成(サイト内の登録導線)
- メール作成(テンプレ/ブロックで組める)
- ニュースレター配信(定期・単発)
- 記事更新通知(新着記事を自動で送る運用)
- 基本的な自動化(Welcomeメールなどのシンプルな自動送信)
- リスト管理(購読者の追加・削除・分類)
ポイントは、「WordPress運用と相性がいい」こと。逆に言うと、メール専業サービス(ESP)よりも“WordPress寄り”。
実務で見たMailPoetの強み
1) WordPressとの統合がラク(導線が自然)
- 記事・固定ページ・フォームが同じ管理画面でつながる
- 「記事を書いた→配信に流す」が素直
ブログ運用とメール運用が別サービスに分かれると、地味に手間が増える。最初に“仕組み”を作るなら、ここは強い。
2) 「更新通知」の運用が作りやすい
ニュースレターを毎回手で作るのが重いなら、最初は更新通知の自動化が効く。
“書く”に集中しやすい。
3) 小さく始めて回せる
ブログの立ち上げ期は、完璧なメールマーケよりも「継続できるか」が勝ちやすい。
MailPoetは、その意味で初速が出る。
実務で詰まりやすい弱点(ここが本題)
1) 配信の到達率は「メールの送信方法」に左右される
MailPoet自体の問題というより、メール配信はそもそも「どこから送るか」で結果が変わる。
レンタルサーバーの環境や送信方法によっては、迷惑メール判定や遅延が起きることがある。
チェック
- 送信方法(送信サービス/SMTP等)をどうするか
- SPF/DKIM/DMARCの設定をどこまでやるか
- 送信ドメインの信頼(新規ドメインは育つまで弱い)
※ここは別記事で深掘りすると、Opsoryの“強さ”になる領域。
2) 規模が伸びるほど「運用の型」が必要になる
購読者が増えると、以下の作業が急に重くなる。
- 配信停止対応(解除率・苦情率の管理)
- リストの掃除(反応しない層の扱い)
- テンプレの統一(毎回ゼロから作らない)
- 誤送信の防止(レビュー手順)
MailPoetでもできるけど、“運用設計”がないと辛くなる。
3) 将来の移行を想定しないと、引っ越しが面倒になることがある
後から外部ESPへ移る可能性があるなら、最初から意識したい。
- 購読者データの持ち出し(エクスポート)
- 同意ログ(どこで登録したか)
- タグ/セグメントの設計(ぐちゃぐちゃだと移行が痛い)
結論:最初から「タグ設計だけ」は慎重に。
(タグを増やしすぎない、命名を統一する)
料金の考え方(数字より大事なこと)
MailPoet系のコストは、だいたい「購読者数」「機能」「送信方法」によって効いてくる。
ここは改定が入りやすいので、最新は公式の料金ページを確認が前提。
実務では、料金そのものよりも次を見た方が失敗しにくい。
- 伸びたときの“単価の上がり方”が許容できるか
- 配信基盤(到達率)の手当てに別コストが発生するか
- 移行したくなったときのコスト(手戻り)が大きくないか
MailPoetを選ぶ前に見るチェックリスト(10項目)
- [ ] 目的は「更新通知」か「本格ニュースレター」か
- [ ] 購読フォームはどこに置くか(記事末/固定/フッター)
- [ ] ダブルオプトインを使うか
- [ ] 送信方法(送信サービス/SMTP等)を決めたか
- [ ] SPF/DKIM/DMARCを触れる前提があるか
- [ ] タグ設計(命名ルール)を決めたか
- [ ] 配信頻度(週1/隔週/月1)を決めたか
- [ ] テンプレ(ヘッダー/フッター)を固定化するか
- [ ] 配信停止・問い合わせ導線を整えたか
- [ ] 伸びたら外部ESPへ移る可能性があるか
代替ツール(用途別に選ぶ)
「MailPoetがダメ」というより、用途で分けるのが正解。
A) “WordPress中心”を崩したくない
- WordPress内でCRM寄りにしたい
- サイト内の顧客管理やタグ運用を濃くしたい
→ WP内完結型(CRM系プラグイン)を検討
B) 到達率・配信基盤を優先したい
- 大量配信を前提にする
- メール専業の最適化を取りに行く
→ 外部のメール配信サービス(ESP)が向きやすい
C) メールを“営業/サポート”までつなげたい
- 問い合わせ→商談→顧客管理まで統合したい
→ CRM/マーケオートメーションが向きやすい
まとめ:MailPoetは「最初の型」を作るには強い
MailPoetは、WordPressでブログを育てながらニュースレターを始めたい人にとって、導入しやすい選択肢。
一方で、メール配信は規模が伸びるほど「送信基盤」「運用設計」「移行」の3点が効いてくる。
Opsory的にはこう整理する。
- 小さく始めるならMailPoetは有力
- 伸びたら“運用の型”が勝負
- 将来の移行余地は最初から残す
次に読む(関連記事・作成予定)
- MailPoetの初期設定:最初に詰まらない手順(準備中)
- メール到達率の基本:SPF/DKIM/DMARCと送信方法
- MailPoetの代替5選:用途別に最短で選ぶ(準備中)
- ニュースレター運用テンプレ:週1で回す設計図(準備中)

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