Mailchimp(メールチンプ)は、世界で最も知名度の高いメール配信プラットフォーム。
かつては「無料で始められるメルマガツールといえばMailchimp」だった。だが、2021年のIntuit買収以降、無料プランの縮小と有料プランの値上げが繰り返されている。2026年1月時点で、無料プランは250件・月500通まで。かつての2,000件・月10,000通の面影はない。
それでもMailchimpが選択肢に入る理由はある。テンプレートのデザイン品質、連携できるサービスの数、そして「Mailchimpを使っている」というブランド認知。
この記事は、2026年時点のMailchimpを実務で使う前提で正直に評価する。
結論から:Mailchimpが向く人/向かない人
向く人
- テンプレートのデザイン性を重視する人(Mailchimpのテンプレートは今でもトップクラスに美しい)
- 英語環境に抵抗がなく、豊富な外部連携(Shopify、WordPress、Zapierなど)を活用したい人
- EC運営者で、購買データと連動したセグメント配信やリターゲティング広告まで1つの画面でやりたい人
- すでにMailchimpで運用しており、移行コストのほうが高い人
向かない人
- 無料で始めたい人 → Mailchimpの無料枠はもう実用レベルではない。Brevoのほうが圧倒的に広い
- 日本語サポートが必要な人 → Mailchimpの日本語対応はUIの一部のみ。サポートは英語
- リストが大きくなる見込みがある人 → 連絡先課金のため、成長するほどコストが急激に上がる
- WordPress内で完結させたい人 → MailPoetのほうが速い
- コスパ重視の人 → 同じ機能帯ならBrevoやWiLL Mailのほうが安い
料金プラン(2026年時点)
| プラン | 月額目安 | 連絡先上限 | 月間送信上限 | 主な機能 |
|---|---|---|---|---|
| Free | $0 | 250件 | 500通(日250通) | テンプレート、1オーディエンス、基本レポート。MAなし。Mailchimpロゴ表示 |
| Essentials | $13〜 | 500〜50,000件 | 連絡先×10倍 | 24/7サポート、A/Bテスト、3シート、スケジュール配信 |
| Standard | $20〜 | 500〜100,000件 | 連絡先×12倍 | MA(Customer Journey Builder)、予測送信、リターゲティング、5シート |
| Premium | $350〜 | 10,000〜200,000件 | 連絡先×15倍 | 比較レポート、無制限シート・オーディエンス、電話サポート |
注意すべきポイント:
- 課金は「連絡先数」ベース。リストが増えれば月額が自動的に上がる
- 解除済み・非アクティブな連絡先もカウントされる(2024年4月〜)。手動でアーカイブしないと無駄に課金される
- 5,000件でEssentials約$75/月、Standard約$100/月。10,000件超えるとさらに急カーブ
- 2022年以降、複数回の値上げが実施されている
機能面で押さえておくべきポイント
テンプレートとデザイン
Mailchimpが今でも強いのはここ。テンプレートの品質と種類は業界屈指。ドラッグ&ドロップエディタの操作感も洗練されている。「見た目の美しさ」でメールの開封率やクリック率を上げたいなら、Mailchimpのエディタは頭ひとつ抜けている。
外部連携の豊富さ
Shopify、WooCommerce、WordPress、Zapier(6,000以上のアプリ)、Google Analytics、Facebook/Instagram広告——Mailchimpほど連携先が多いツールはない。特にECとの連動(購買履歴ベースのセグメント、カート放棄メール、商品レコメンド)は、Mailchimpの主戦場。
MA(マーケティングオートメーション)
2025年6月にClassic Automation Builderが廃止され、現在はCustomer Journey Builderに一本化。Standard以上でないと使えない。
無料プランとEssentialsではMAが使えないため、「ウェルカムメール→フォローアップ→リマインド」のような基本的な自動化すら有料プランが必要。ここはBrevo(無料プランでもMA2,000件まで使える)と比較すると明確な弱点。
レポート・分析
Essentials以上で開封率・クリック率の基本レポート。Standardからヒートマップや予測分析が追加。Premiumでは比較レポートやマルチバリエイトテストまで使える。
分析機能自体は悪くないが、WiLL Mailのヒートマップが月4,000円〜で使えることを考えると、Mailchimpの$20/月〜は割高感がある。
注意点・弱点
無料プランが実質機能しなくなった
2026年1月の改定で、無料プランは250件/月500通にまで縮小。MAなし、スケジュール配信なし、サポートは30日間のみ。「お試し」としてもかなり窮屈。かつてMailchimpを選ぶ最大の理由だった「無料で始められる」は、もう過去の話。
連絡先課金+解除済みもカウント
Mailchimpは連絡先数で課金されるが、解除済みや非購読の連絡先も課金対象に含まれる(2024年4月〜)。手動でアーカイブしない限り、どんどん課金額が膨らむ。この仕様は多くのユーザーから不満が出ている。
Brevoが「送信数課金+連絡先無制限(Freeで10万件)」なのと比べると、コスト構造の差が大きい。
日本語対応の弱さ
UIの一部は日本語化されているが、サポート・ドキュメント・コミュニティはほぼ英語。Brevoと同程度かそれ以下。国産ツールの安心感を求めるなら、どちらも選択肢から外れる。
値上げの頻度
Intuit買収後、2022年〜2024年にかけて複数回の値上げが行われている。Essentialsは$11→$13、Standardは$17→$20〜$23、Premiumは$299→$350と、全プランで上昇傾向。今後もこの傾向が続く可能性が高い。
Brevoとの比較
MailchimpとBrevoはよく比較されるので、ここで正面から並べておく。
| 比較軸 | Mailchimp | Brevo |
|---|---|---|
| 課金モデル | 連絡先数ベース(解除済みもカウント) | 送信数ベース(連絡先無制限) |
| 無料枠 | 250件/月500通 | 日300通(≒月9,000通)/10万件 |
| MA | Standard $20〜で解放 | 無料で2,000件まで、Standard $18〜で無制限 |
| テンプレート | 豊富・デザイン性高い | 十分だがMailchimpほどではない |
| EC連携 | Shopify等と深い統合 | 基本的な連携はあるがMailchimpが上 |
| マルチチャネル | メール+SMS(有料)+広告 | メール+SMS+WhatsApp+チャット+CRM |
| 日本語サポート | 弱い | 弱い(同程度) |
| コスパ | リスト成長に伴い急騰 | 送信数に比例、リスト成長に強い |
結論: デザイン性とEC連携ならMailchimp。コスパと拡張性ならBrevo。どちらも日本語サポートは弱い。
代替ツール
- Brevo — Mailchimpの直接的な代替。無料枠の広さとコスパで上回る。MAとマルチチャネルも充実 → Brevoレビュー
- MailPoet — WordPress内完結型。Mailchimpより導入が速いが拡張性は限定的 → MailPoetレビュー
- WiLL Mail — 国産で分析が強い。日本語サポート重視ならこちら → WiLL Mailレビュー
- ブラストメール — とにかくシンプルに安く送りたいならこれ → ブラストメールレビュー
Opsoryの見解
Mailchimpは「良いツール」だ。テンプレートは美しいし、EC連携は深いし、連携先の数は圧倒的。ブランド力もある。
でも、2026年のMailchimpを「新規で選ぶ理由」は限られてきている。
無料プランが実質使えなくなり、連絡先課金で解除済みもカウントされ、MAは$20/月〜でないと使えない。同じ海外ツールなら、Brevoのほうが無料枠・コスパ・マルチチャネルで上回る場面が多い。
Mailchimpを選ぶべきなのは、ECとの連携が最優先で、テンプレートのデザイン品質が譲れない場合。あるいはすでにMailchimpで運用が回っていて、移行コストのほうが高い場合。
新規で「まずメール配信を始めたい」なら、Mailchimpは最初の選択肢にはならない。
→ 全ツールの比較・判断チャートはこちら:メール配信ツールおすすめ比較|用途別に”これだけ”選べばいい
→ Mailchimpへの移行を検討中なら:MailPoet→Mailchimp移行手順
→ Brevoとの比較で迷っているなら:Brevoレビュー

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