Brevo(ブレヴォ)は、旧Sendinblueから改名したグローバルESP(メール配信プラットフォーム)。
メール配信だけの単機能ツールとは設計思想が違う。メール・SMS・WhatsApp・チャット・CRM・マーケティングオートメーション(MA)までワンプラットフォームで回せる「拡張型」で、しかも無料枠が広い。
MailPoetやブラストメールで「もう少し先」が見えてきた人の移行先として筆頭候補に入る存在——だけど、万人向けではない。
この記事は、Brevoが向く人/向かない人を先に結論から出して、そのうえで料金・機能・注意点を整理する。
結論から:Brevoが向く人/向かない人
向く人
- MailPoetやWordPress内蔵型の限界(到達率・自動化・セグメント)を感じている人
- メール配信だけでなく、SMSやチャット、CRMまで1つの管理画面で回したい人
- 「連絡先数」ではなく「送信数」ベースの課金のほうが合う人(リストは大きいが配信頻度は低い)
- MA(マーケティングオートメーション)に興味があるけど、HubSpotやSalesforceほどの予算はない人
- 海外ツールに抵抗がなく、英語UIでも問題ない人
向かない人
- 日本語サポートが必須の人(Brevoの日本語対応は限定的)
- 「とにかく安く、シンプルに一斉配信したい」だけの人 → ブラストメールのほうが合う
- WordPress内で完結させたい人 → MailPoetのほうが速い
- 国産サポート+手厚い伴走を求める人 → 配配メールのほうが安心
Brevoの最大の特徴:「連絡先数」ではなく「送信数」課金
ほとんどのメール配信ツールは「連絡先数」で料金が決まる。リストが増えれば増えるほど、月額が上がる。
Brevoは違う。課金は「月に何通送るか」ベース。連絡先は無料プランでも10万件まで保持できる。
つまり「リストは大きいけど、配信は週1〜2回」みたいな運用をしている場合、Brevoのほうが圧倒的にコスパがいい。逆に「少数リストに毎日大量配信」する場合は、連絡先課金のツールのほうが安くなることもある。
この課金モデルの違いが、Brevoを選ぶ/選ばないの最初の分岐点になる。
料金プラン(2026年時点)
| プラン | 月額目安 | 月間送信数 | 主な機能 |
|---|---|---|---|
| Free | $0 | 300通/日(≒約9,000通/月) | テンプレート、セグメント、MA(2,000件まで)、CRM基本。Brevoロゴ表示あり |
| Starter | $9〜 | 5,000通〜 | 日次上限なし。基本レポート。ロゴ削除は+$9/月 |
| Standard | $18〜 | 5,000〜20,000通 | A/Bテスト、ランディングページ(1枚)、ヒートマップ、MA無制限。ロゴなし |
| Professional | $499〜 | 150,000通〜 | AI セグメント、WhatsApp、Web Push、電話サポート |
| Enterprise | 要問合せ | カスタム | 専用IP込み、SLA、サブアカウント管理 |
補足:
- 年払いで10%割引
- 連絡先数はFreeで10万、Starterで最大50万、Standardで最大200万まで
- 専用IPは年間約$251で追加可能(月3回以上・3,000通以上の配信がある場合に推奨)
- Pay-as-you-go(従量クレジット購入)も可能。クレジットに有効期限なし
機能面で押さえておくべきポイント
マルチチャネル統合
Brevoの最大の武器は、メール以外のチャネルが同じ管理画面にあること。SMS配信、WhatsAppキャンペーン、Webチャット(ライブチャット)、CRM(顧客管理)が追加コストなし〜追加料金で統合できる。
国産ツールだと、メール配信はA、SMSはB、チャットはC…とバラバラになりがちなところを、Brevoは1画面で完結させる。
マーケティングオートメーション(MA)
無料プランでも2,000件までの自動化ワークフローが使える。これは競合と比べてもかなり太っ腹。
Standard以上なら無制限になるので、「ウェルカムメール → 未開封リマインド → クーポン配信」みたいなシナリオを組み放題。HubSpotやSalesforceに手が届かない規模感の企業にとっては、BrevoのMAが最もコスパのいい選択肢になる。
WordPressとの連携
BrevoにはWordPress専用プラグインがあり、フォーム作成→リスト同期→ダブルオプトイン→ウェルカムシーケンスまでをWordPress側から設定できる。MailPoetからの移行がスムーズなのも、このプラグインの存在が大きい。
→ MailPoet→Brevo移行手順|CSVインポートとリスト設計
到達率
共有IPからの配信が基本。無料〜Starterは共有IPプールの中で他のユーザーと評判を共有するため、到達率が外部要因に左右されやすい。
本気で到達率を管理したいなら、専用IP(年間$251)の追加、もしくはStandard以上で独自ドメイン認証(SPF/DKIM/DMARC)をきっちり設定する必要がある。
→ メール到達率の基本:SPF/DKIM/DMARCと送信方法
注意点・弱点
日本語サポートが弱い
UIは日本語対応しているものの、サポート窓口は基本的に英語。ドキュメントも英語が主。国産ツールのような「電話で相談」は期待できない。英語に抵抗がある場合は、ここが最大のハードルになる。
無料プランのBrevoロゴ
無料プランで送るメールにはBrevoのロゴが入る。ビジネスメールとして使うなら見た目の問題になる。Starterでもロゴ削除は月額+$9の追加オプション。Standardからは標準でロゴなし。
管理画面の動作がやや重い
連絡先が増えてくると、セクション間の移動にもたつくことがある。致命的ではないが、国産ツールのサクサク感に慣れていると気になるかもしれない。
ランディングページビルダーは「おまけ」レベル
Standard以上でランディングページが使えるが、専用ツール(Unbounce、Instapage等)と比べると機能は限定的。追加ページも5枚ごとに約$24/月。ランディングページが主目的なら、別途専用ツールを使ったほうがいい。
代替ツールとの比較
| 比較軸 | Brevo | Mailchimp | 国産(WiLL Mail / 配配メール) |
|---|---|---|---|
| 課金モデル | 送信数ベース | 連絡先数ベース | 配信数 or 連絡先数(ツールによる) |
| 無料枠 | 300通/日、10万件 | 500件、1,000通/月 | なし(トライアルのみ) |
| MA | Standard以上で無制限 | Standard以上 | 配配メールは一部対応 |
| マルチチャネル | SMS / WhatsApp / チャット / CRM | SMS(別料金)/ 一部 | メールのみ |
| 日本語サポート | 限定的 | 限定的 | 充実 |
| 向く人 | 拡張・自動化重視 | テンプレ重視、英語OK | 国産サポート重視 |
Mailchimpは2024年以降の料金改定で無料枠が大幅に縮小(500件/1,000通)し、コスパではBrevoに軍配。ただしMailchimpはテンプレートの豊富さとデザイン性で根強い人気がある。
Opsoryの見解
Brevoは「メール配信の次」を見据えたときに最初に検討すべきプラットフォーム。
無料プランの太っ腹さ(10万件の連絡先保持、日300通、MA2,000件)は、小規模からのスタートに十分すぎる。そしてStandard($18/月〜)に上げた瞬間、MA・A/Bテスト・ランディングページ・ヒートマップまで全部開放される。この価格帯でここまで揃うツールは他にない。
ただし「日本語サポートが弱い」のは、トラブル時に痛い。ドメイン認証やアカウント凍結(Brevoはスパム判定に厳しい)の対応を英語でやる必要がある。ここを自力で突破できるかどうかが、Brevoを使いこなせるかの分水嶺。
MailPoetやブラストメールで運用を回しながら「そろそろ自動化したい」「チャネルを広げたい」と思ったら、まずBrevoの無料プランを触ってみるのが最短ルート。
→ 全ツールの比較・判断チャートはこちら:メール配信ツールおすすめ比較|用途別に”これだけ”選べばいい
→ MailPoetからの移行手順:MailPoet→Brevo移行手順|CSVインポートとリスト設計
→ 移行全般のチェックリスト:MailPoetから乗り換える手順

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