メール配信システムの選び方:目的別チェックリスト20(ニュースレター/一斉配信/MAの分岐つき)

メール配信ツール選びで一番やりがちなのは、機能表で比較して決めること。
メールは「できる/できない」より、届くか回るか増えても詰まないかが勝負になる。

このページは、ツール名を眺める前に「選定の順番」を固定するためのガイド。
最後にチェックリストを埋めれば、候補が自然に絞れる。

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目次

0) まず分岐:「メール配信」には3種類ある

ここを間違えると、どれだけ比較しても失敗しやすい。

A. メール配信システム(メルマガ/ニュースレター/一斉配信)

  • 目的:購読者に継続配信する、効果測定する
  • 必要:配信予約、テンプレ、配信停止管理、レポート、セグメント

B. CRM/MA(メール+営業/顧客管理まで)

  • 目的:問い合わせ→商談→顧客化まで一体で回す
  • 必要:顧客データ、スコアリング、パイプライン、ワークフロー

C. 業務メール(メールサーバー)

  • 目的:社員のメールアドレス運用、受送信の基盤
  • 必要:アカウント管理、セキュリティ、監査、メール保管

「ニュースレターを送りたい」のに業務メール基盤を選ぶと、到達率・制限・運用で詰まりがち。
逆に「社員メールを整えたい」のに配信システムを選ぶと、過剰装備になりがち。


1) いちばん重要:メールの“目的”を1つに固定する

最初にこれだけ決める。目的が混ざると設計が崩れる。

  • 更新通知(記事のまとめを週1で送る)
  • ニュースレター(読み物+リンク。週1〜隔週)
  • キャンペーン/販促(期間限定の告知、セール)
  • リード育成(ステップ配信で教育→行動)
  • 取引通知(登録確認、決済、パスワードリセット等)

この中で “あなたの主戦場” はどれか。
最初は1つだけにする。2つ目は後で足せる。


2) 規模の見積もり(この3つで十分)

正確な数字は不要。ざっくりでいい。

  • いまの購読者:0 / 〜100 / 〜1,000 / 〜10,000 / それ以上
  • 配信頻度:週1 / 隔週 / 月1 / 不定期
  • 1回の配信通数:購読者数 × 1(基本)

目的:「伸びたときに料金や運用が破綻しない」ラインを先に見抜くこと。


3) 到達率は“ツールの差”より“土台の差”

ツールを変えれば届く、は幻想になりがち。
土台が整ってる方が強い。

最低限やること:

  • From(送信元)を独自ドメインで固定する
  • SPF/DKIM/DMARCを整える(まず観測→後で強化)
  • 解除導線を分かりやすくする(苦情率が下がる=勝ち)

詳しくは:


4) 運用は「機能」より先に決める(ここで勝敗が決まる)

運用設計がないと、どんなツールでも止まる。

最低限決めるべき4つ:

  1. 誰が書く?(1人/複数)
  2. 誰がチェックする?(ミス防止)
  3. いつ送る?(固定曜日が強い)
  4. 何を送る?(テンプレで回す)

テンプレはこれで十分:


5) “必須機能”のチェックリスト(ここから比較する)

ここから先が「ツール比較」。
ただし全部は要らない。必須だけ選ぶ

必須(ほぼ全員)

  • [ ] 配信停止(unsubscribe)管理ができる
  • [ ] リスト/タグの整理ができる
  • [ ] テンプレ(再利用)ができる
  • [ ] 効果測定(最低:クリック)が見える
  • [ ] 予約配信ができる
  • [ ] データのエクスポートができる

あると強い(伸びたときに効く)

  • [ ] ステップ配信(簡単な自動化)
  • [ ] セグメント配信(条件で送り分け)
  • [ ] 承認フロー(複数担当のとき)
  • [ ] API / Webhook(外部連携が必要なとき)
  • [ ] A/Bテスト(件名や導線を詰めたいとき)

最初は要らないことが多い(後でいい)

  • [ ] 複雑な条件分岐のMA
  • [ ] “全部入り”のCRM統合
  • [ ] 高度なスコアリング

最初から盛るほど止まる。まず回す。


6) 料金で見るべきは「金額」より「伸び方」

比較のコツは、料金表の“どこを見るか”を固定すること。

見るポイント:

  • 何に比例して増える?(購読者数 / 配信通数 / 機能 / 送信量)
  • 上限はある?(月間通数制限など)
  • 成長したときの「詰みポイント」はどこ?

いま最安でも、伸び方が厳しいと後で移行コストが出る。
逆に、少し高くても伸び方が緩いと総コストは安くなることがある。


7) 乗り換え(移行)前提で“最初から”やっておくとラクなこと

移行で詰まる原因は、だいたいこれ。

  • タグ/セグメントが増えすぎて意味不明
  • フォーム導線が散らかっている
  • 同意(オプトイン)の扱いが曖昧
  • 送信元ドメイン/表示名がブレている

最初からこれだけやると強い:

  • タグは「流入元」だけ(例:src:post / src:footer
  • リストは1つから(増やさない)
  • From名とFromアドレスを固定(変えない)

8) 最短で候補を絞る「5つの質問」

この5つに答えると、候補は自然に減る。

  1. 目的は「更新通知」?「ニュースレター」?「販促」?
  2. WordPress内で完結したい?外部サービスで切り離したい?
  3. 週1で回す?不定期?(固定できるほど楽)
  4. チーム運用?担当者1人?
  5. 1年後、CRMや営業まで統合したい?

答えが固まったら、比較記事(国産/海外)に戻ると速い:


9) 選定スコアシート(テンプレ+記入例)

スコアは 1〜5点でつける(目安:1=弱い / 3=普通 / 5=強い)。
最後に 「重み×点数」を合計して比較する。

記入用テンプレ

候補名は、いま検討中のサービス名に置き換えてOK。

観点重み候補A候補B候補C
到達率の土台を作りやすい5
運用が止まりにくい(テンプレ/チェック体制)5
リスト/タグ管理がシンプル4
解除・苦情対策がやりやすい4
連携(API/CSV)3
料金の伸び方が穏やか4
移行しやすい(持ち出し)3
管理画面の分かりやすさ3
合計(Σ 重み×点)

計算のしかた:
例)重み5の項目で4点なら「5×4=20点」。これを全部足す。


記入例(※架空。書き方の見本)

前提:小〜中規模、週1ニュースレター、担当1人、将来は外部連携も少し欲しい…みたいなケース。

観点重み候補A(例:WiLL Mail)候補B(例:ブラストメール)候補C(例:配配メール)
到達率の土台を作りやすい5434
運用が止まりにくい5434
リスト/タグ管理がシンプル4443
解除・苦情対策がやりやすい4434
連携(API/CSV)3423
料金の伸び方が穏やか4343
移行しやすい(持ち出し)3433
管理画面の分かりやすさ3343
合計(Σ 重み×点)(例)126105117

この見本みたいに「重み×点」を積み上げると、感情じゃなく設計で決められる。

まとめ:メール配信ツールは“設計”で勝つ

  • まず「目的」を1つに固定する
  • 到達率の土台(SPF/DKIM/DMARC)を整える
  • 週次で回る運用テンプレを作る
  • その上で、必須機能と料金の伸び方で選ぶ

ツール選びはゴールじゃなく、止まらない運用を作るための入口


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